9/26 (土) サラサラ風どぼどぼの人だった。

日記

小さい人は、1週間前からそわそわしていた。そう。今日は、お友だちのこにゃくん家にお呼ばれしているのだ。
お友だちと言っても、幼稚園という小さい社会のお友だちではない。相方の大きい人と私の仕事仲間で、私たち両親と同じように、小さい人の成長を見届けてくれている友人だ。
こにゃくんは、めちゃめちゃ子ども大好き!な雰囲気はちっともないのに、遊ぶのがめちゃめちゃ上手い。あっちこっち慌ただしく、なぞの要望をばんばん繰り出して来るのに、半分振り回され、半分ちゃんと舵取りをして、がしっと心を掴んでしまう。これは技術というより、天性のもの、という気がしている。距離感が、絶妙なのだ。
こにゃくんには、それこそ1歳の頃から遊んでもらっていて、小さい人は最初からよく懐いた。他のお兄さんお姉さんがいても、手を繋いで歩くのも、抱っこしてもらうのもこにゃくんで、小さい人はズカズカ入り込む特性をいかんなく発揮した。確認したことはないけれど、大きい人もきっと、良い意味で、ちょっぴり妬いたことはあるんじゃないだろうか。
自宅から、小さい人の通う園までのルートが、オフィスに向かうこにゃくんと同じルートで、私は、小さい人を送った帰り道に遭遇することが多かった。それを、そういえばさと、小さい人に話すと、「いいなあ〜〜〜」と本気でうらやましがられたり、「今日はこにゃくんに会った?」と事情聴取されたりして、こにゃくんの存在たるや。
そんな感じで、年に1回くらいは遊びに行ったり、職場のバーキューで会ったりして、すくすく育つ小さい人の相手をしてもらっていた。それで、今日は招かれる。小さい人のスイミングスクールから目と鼻の先にこにゃくん家があって、一度、職場のゆかいな仲間とお邪魔したことがあるのだけれど、今日は個人的に遊びに行く。
午前中は、スイミングのテスト。小さい人は、「テスト頑張ってからこにゃくんち行こうね」と、いつも以上に意気込んだ。今日のテストは、鼻から吐けているかを見る、潜り。鼻でぶくぶくーっとしながら頭まで潜り、ぱあっと口で吸って浮上する。水中の台がないパターンはまだこわいみたいだが、今回は有りだから小さい人も自信満々。「むっくにも、ちゃんと見ててねって言っといてね!」テストの日は参戦する大きい人に、釘を刺すことも忘れなかった。
テストの日は、ギャラリーが多い。我が子が勝負する姿を観に来るお父さんが多いからだ。大きい人も、久々に観る成長を楽しみにしていた。席が後ろの方だったので、2人で立って観戦。小さい人は、観てもらっているのが嬉しいようで、しきりに手を振っていた。「かわいいね」と話しかけて、ぎょっとする。何をそんなに険しくなることがあるのか、大きい人は腕を組んで仁王立ちしていた。
力が入るのはわかるが、普段来ていない人がテストの日だけ勇んでやって来て、まるで監視するように仁王立ち。いやいや、どの面で?
面白くて静かに吹いて、よくもそんな顔でいられるねというニュアンスで、「おかしさ満載な振る舞いだ」と伝えると、腹を抱えて笑っていた。
そんな両親のやりとりも知らずに、小さい人はなんの心配もなくやり切り、大きい人は一生懸命な姿にたまらず、仁王立ちのまま号泣していた。赤色たこさんから青色たこさんへの昇格おめでとう。
合格の興奮も胸に、こにゃくん家へ。
マンションの下まで降りて来てくれたのだけれど、1秒前までぎゃーぎゃーしていた小さい人はこにゃくんを見た瞬間、借りてきた猫のようになった。私の後ろに隠れ、にやにや、デレデレしている。まるで、恋する乙女よな。
おもてなしに余念のない彼は、お昼ごはんを作って待ってくれていたようで、サッと、レタスとパプリカの豚しゃぶサラダと、さつまいもと鶏肉の煮物が出てきた。友人が作るごはんを、家族で食べられる幸せ。
驚いたのは、味付けがめちゃめちゃ優しかったこと。20代男性単身の1人暮らしとあらば、味付けは濃いめなのではないかと勝手に思っていた。でも、違った。優しい。白湯くらい、優しい。それでいて、お米によく合う。このお米がまた炊き加減が最高で、おいしいお米に目がない私は、結構、本気で頭を抱えた。1杯で、止められるか…?なんとかおかずで満たして食い止めたけれど、まあ危ない危ない。小さい人と大きい人はしっかりおかわりして、まあるいお腹を揺らした。
なんと、まさか、おやつまで作ってくれていて、我が家が大好きなバスクチーズケーキ。いい感じに固まるかどうか不安なようで、冷蔵庫と冷凍庫に交互に引っ越しさせながら面倒を見てくれている。もてなしたい気持ちが、熱い。これでは、固まらないかもしれない。
いよいよこにゃくんとの遊びの段になって、トランプで神経衰弱をしたり、溶岩に落ちたら負けという謎のごっこ遊びに付き合ってもらった。無茶苦茶な設定にも上手いこと乗ってくれて、小さい人はずっと楽しそうだった。
思いつきでダイソーに買いに行った風船はまさかの大ヒットで、小さい人は3時間遊び倒した。4人で3つの風船を操り、協力プレイの難しさと尊さを実感した。風船で、人生を生きた。
こにゃくん初めてのバスクチーズケーキはというと、真ん中辺りが固まりきらないとろっと仕様で、売ってくれたら喜んで買うレベルだった。普段そこまでケーキに飛びつかない大きい人が、2切れ余裕で食べ切った。
なんだろう。愛が、すごい。良い意味でだけれど、どちらかというとサラサラと淡白な人だと思っていた。でも実際は、サラサラ風どぼどぼの人だった。最初から最後まで、小さい人に対しても、我々に対しても一途だった。そういうまっすぐさを、小さい人は野性の勘で嗅ぎ取っていたのだろうか。
今日、新潟の米が圧倒的に上手いというデータと、こにゃくんのプロフィールが書き変わった。

プリーズ シェア!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

もくじ