9/16 (水) 人生にはいつもビビらされる。

日記

朝一番に、明後日のちいかわらんどが楽しみすぎる。この日は新グッズ発売の日で、1週間前に、LINEで入店チケットの抽選申し込みがあった。「スウェットなみんなのキーホルダー」と「スウェットなみんなのスマホに貼れるサイズのステッカー」が欲しくて、開始10時に応募した。10時半から30分ずつの枠が設けられていて、私は12時半の枠に飛び込んだ。そして運よく、当選した。
有難いことに、近所のパルコ内にちいかわらんどがあり、何もなくても足繁く通っている。その日は朝から美容院の予定で、今までの私なら確実にこっちに胸が躍っているはずだ。髪、爪、顔。自分自身が整うことにモチベーションの軸が定まり切っている私が、なんと。もしや、これがあの、推し活というやつなのか。
私は、これといってハマらない体質で、ときめき期間はちょこちょこあるのだけれど、追っかけるほどの熱量まではいかない。だから、あっという間に風化する。のに、ちいかわは、違う。四六時中、用もなくフィギュアを眺め、週替わりで鞄にぶら下げるマスコットを変える。もはや、好きな洋服を買うこと<ちいかわだ。
推し活というのは、きちんと自覚しながら前のめりで活動することだと思っていた。でも、こうして、後からじわじわと自覚させられる推し活というのも存在するらしい。私の場合、全推しするほどの活動にはなっていないので、「推しのために活動する推し活」というより、「推しがいる生活の推し活」だろう。何にしても、自分の人生に「推し活」なるものが入り込んでくるなんて、人生にはいつもビビらされる。
気持ちを通常の生活に戻して、小さい人を社会へ送り届ける。仲よしのそよちゃんにおはよーすると、上の歯が1本、不在。どうやら、ぐらぐらしていた歯を、てぃのちゃんとお揃いにしようということでパパに抜いてもらったらしい。小さい人も、昨日、歯医者で2本目の抜歯をした。お揃いだねと、2人ははしゃいでいた。
ちいかわの熱がちっともおさまらないまま、なんと、9/25にちいかわのボンドロが発売になるらしいとの情報。「ちいかわらんど」と「ちいかわ寿司」と「ちいかわベビー」の3種。欲しい欲しい欲しい。でもその日は、小さい人の社会で担当している役員の作業日だ。我々役員が主催で、保護者の方々を募った会だから、休めない。でもでもでも。きっとネットは発売すぐで売り切れるだろうし、メルカリだと、倍以上の高値で売られる。どうしたものか。そこで、はたと我に返る。12時までの作業なのだから、12時半で申し込みをすれば、行ける。抽選が通るかどうかはさておき、この機会にちゃんと、乗れる。明後日から申し込み開始。髪を綺麗にしてもらいながら、運命を委ねることが決まった。
午後。社会へ小さい人を巻き取りに行くと、満3歳児クラスの時にお世話になった下田先生に会った。
「かき氷大盛りでって、てぃのちゃんかな〜って思いました」
昨日配信されたお手紙が、「今日は特別にかき氷を食べました」という内容で、ひとりひとりの至福の顔がキャッチされていた。添えられていた文章に、「『大盛りにしてください!』と、可愛く伝える姿も見られ、とても微笑ましかったです。」とあり、下田先生はこのことを言っているのだろう。
入園したての頃、欲望のままにおかわりし、2ヶ月で3kg太った小さい人に困り果て、下田先生に協力を頼んだ。「健康維持のために、最初の盛り付けを多めにしてもらって、おかわりはなしにしてもらえますか」連絡帳に、そう書いた。すると、「おかわりはみんなしているので、ちょっとかわいそうかなあって」と、大人なら当たり前に抱く感情をぶつけられ、私も悩んだ。そりゃあそうだ。他の子がおかわりしている中で、小さい人だけができない。不憫に思うのは当然のことだ。小さい人自身も、そこに食べ物があれば構わず突進していくような人だから、私だってできれば制限したくない。だけど、育てる者として、ぶくぶくと肥満街道を走る姿を、ぼけっと傍観しているわけにはいかなかった。
先生自身も悩み、園長先生に相談したのだろう。次の日に、体重がすごく増えていたこと。全体としてしか見ていなかったこと。「お母さんにとってはてぃのちゃんだけだから…」と、涙ぐんで話してもらった時には、私も、つられた。先生は、まだ若い。未経験のことを理解するのは大変だっただろう。良かれと思ってやったことが受け入れられなかった思いは、きっと、想像以上に痛い。申し訳なさで埋め尽くされながら、でも、これで小さい人の健康は守られるという安心感もどこかにあって、しばらくは静かに過ごした。
「お母さんの気持ち、わかりました」
今では一児の母である下田先生。母乳は欲しがったら飲ませていいと言われてその通りにしていたら、生後3ヶ月になって、別人のようになってしまったこと。ちゃんと、3時間おきにしようと思ったことを、話してくれた。
「あ、こういう気持ちだったんだなって」
先生にとって苦い経験になっただろうことが、そんな風に回収されるとは。
「経験してみないと、なかなかわからないことですよねぇ」あの頃の葛藤が、3年越しに伝わった。

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この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

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