6/19 (金) 私は、ほんの少しの可能性に、最高の未来を託す癖がある。

日記

本日、10時。私はでっかい希望と欲望をむんむん言わせて、発つ。ちいかわらんどへ。
いよいよ、ちいかわだらけフィギュアと、ハチワレだらけフィギュアが発売されるのだ。指をくわえるくらい、欲しい。チョコの沼と、ひとりごつ。各6種だから、6分の1。前に、立ち寄ったポップアップストアでうさぎだらけフィギュアを見つけて連れ帰り、お値段以上の強さ贅沢さが輝いて、これはいつかちいかわとハチワレも欲しいと思っていたのだ。
広島パルコ店に、かわいい者どもが並ぶとキャッチしていたので、10時開店に合わせて、いざ。心臓が、ガヤ芸人。もうめちゃめちゃ並んでいたらどうしよう。買えるかな。欲しいの、出るかな。信号待ちのママチャリママ、停車してスマホを盛んに触る女性。みんなみんな、ちいかわ族に見えてくる。欲望が大きい日は、世界の解像度がおかしくなるらしい。
通りを曲がると、パルコの前に、やっぱり、いた!!ちいかわの民たち!!バラけて集合しているからそんなに多くは見えないが、着くと、実際30名弱はいた。これが、カレンダーに「ちいかわDay♡」と書き込んだだろう面々か。仲間の安心感になでられながら、今日はちょっと敵かもしれない警戒心に揺さぶられ、思わず背筋が伸びる。
オープンと同時に、みんな待ち合わせた人々みたいに入って、ずらずらエスカレーターで下る。「いらっしゃいませ!」と凛々しく迎える店員さんたちから、「やっぱり来たね、ちいかわ族」と、心の声が聞こえてくる。私は未だに、堂々と推し活するのに慣れない。うんと前のめりな自分をさらけ出すのが、なんだか照れくさい。スマホ片手に、人に頼まれて来た風を装う。でも、開店と同時に駆け込んでおいて何を言う。自分でも若干、気持ち悪い。何がしたいんだよぉぉぉぉ。
さあさあ、ついに、ご対面。おぉーーーーいたいた!ピンクとブルーのかわいい者たちよ。マスコットやエコバッグのエリアよりも、だらけフィギュアのエリアに人だかりがすごい。カゴをサッと小脇に抱え、しゅっと列に加わる。焦りに突き動かされる私。ちいかわ2こ、ハチワレ2こ。選び抜いてうやうやしくカゴへ。
他のグッズを厳選している間にも、ぞくぞくと入店。だけど、全然ごった返しみたいにはならなくて、最初こそ新商品コーナーも区切られていたけれど、それもだんだんと一般エリアに改修されていく。確かに、見る限り、爆買いの達人たちは、今日はいない。みんな、純粋に連れ帰る人たちなのかもしれない。
前に、サンリオとコラボの商品が発売された時は、ひどかった。みんな、大きなショッパーにちいかわたちをぎゅうぎゅうに連れ、中国語で何やら苛立っていた。もはや、気持ちいいくらい派手に「転売」を詰め込んでいた。あの時は、さすがに店員さんたちも、苦笑いで補充に努めていたっけ。あれだけ人口の多い国だから、ぼやぼや生きていたら何も手に入らないものな。欲しいものの前では、国籍より先に、人類が前に出るらしい。
再入荷していた炙りしめ鯖スナックと、ハチワレのちょっと酔ったよマスコットも収穫した。
帰り道。これからそれぞれの住まいに散るのに、ちいかわという同じ生命体を新たに住まわせる。あの時は確かに敵だった民たちが、やっぱり仲間として帰ってきた。嬉しい。
自宅近くの公園に、スウェットやジャージで遊ぶ学生たちを発見。隣の専門生だろう。バスケをしたり、ジャングルジムの高い位置に座って話し込んだり、自然に溶け込んだ世界があった。さっきまでファンタジーの中にいたからか、現実が急に現実として流れ込んできて、足元がふわっとする。
小さい人と、ちいかわ第2ラウンドに行く約束をしたから、とりあえず箱を開封。びりっ。ガサガサ。ガサガサ。ちいかわもハチワレも、狙っていた子じゃなかった。なんでだろう。どちらかは引ける気がしていたからか、まるで、ケーキ屋さんにケーキを買いに行ったのに、もうクッキーしかないんですと言われたくらいの破壊力でうなだれた。まだ、引けない。もう1こずつ買ってみようと、決意する。人はどうして、「当たるかもしれない」に、わくわくしてしまうんだろう。コンプリートBOXを買えない理由は、そこにある。私は、ほんの少しの可能性に、最高の未来を託す癖がある。だから、この通り。反動を見てごらんよ。
かわいい者たちの居場所を綺麗にして、人をダメにするクッションに座って本を読む。すると、洗面所の方から、「前に、コンビニで臨時的に買ったリップ塗ったら、潤いすぎて気持ち悪い」と、大きい人がぬっと現れる。ぱっと顔を上げて口元を見ると、ぬらぬら発光していて、思わず吹いた。ほんとだ。「しかもさ、今声が枯れてるから、おかまバーの人みたいでキモイね」と、自虐で上半身を畳むほど笑っている。
「しゃがれ声でぷるぷるって、気持ち悪いね」しっかり総括して、去って行った。
午後。小さい人を社会から帰還させ、出陣。
午前の収穫をすみずみ報告すると、「てぃのちゃんにまかせて!」と、頼もしさが神々しい。颯爽とカゴを連れ、うんと背伸びをしながらちいかわとハチワレを確保。午前は、端っこの方を選んだと伝えたら、真ん中を抜いていた。どうか出てくれ〜の気持ちが猛烈に飛んで、「透けて見える能力とか欲しいよな」がよぎる。もう思考が漫画の世界。さあ、どうかどうか?
結局、3つめも、引けなかった。それでも、かぶらなかったのは幸運だった。
夕飯を終え、ちいかわたちの居場所をもっといい感じにできないかと、突然模様替え意欲。自分でも驚くくらい、バッチバチに動き出す。本棚を移動させ、壁の装飾に「バランス命」の魂を込める。小さい人のデスクは、和室からリビングへと空間を超えた。
結局、途中から大きい人も参戦してくれて、完遂した。2時間。スペースを、うまく操れた。
箱の中身は見えなかったが、どうやら生活の豊かさは透けて見えていたらしい。

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この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

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