6/30 (火) 確かに、これは深い。

日記

今日は、小さい人、生まれて初めての抜歯。乳歯はうんともすんとも言わず生活しているのに、せっかちな大人の歯が「こんにち歯」したためだ。綺麗に歯を整列させるために、抜く。
でも、小さい人は、朝から怯えている。麻酔という名の、注射に。さすがに今日は社会を、楽しめないかもしれない。なんとか前向きに頑張ってもらおうと、「みんな頑張ってやってるから大丈夫。てぃのちゃんもできる」と、陽気に励ます。すると、意外にもすぐ「よっし頑張るぞー!」と、全身がさすまたになったみたいに、気迫がすごい。うん、えらいぞ。頑張れ頑張れ。「抜く時さ、手つないでぇ〜」と言うから、「うんつなごうね」と、共闘の約束をした。
本日の社会も終わり、小さい人を巻き取りに行くと、どうやらあちこちで「歯を抜くのだ」と宣伝していたらしい。先生方にも「頑張ってねー!」と声援をいただき、教室を後にする。
綺麗に歯磨きをして、いざ。「頑張ろうね〜」と優しく連れられ、ややそわそわと診察椅子に座る。まずは、麻酔薬をガーゼに染み込ませて、麻酔注射する歯茎にじっくりとあてる。子どもには、麻酔の麻酔というステップがあるらしい。
3分ほどで外し、いよいよ本命。さすがにそわそわが盛んになるも、先生は注射を見せないよう「動くと危ないからね」となだめ、助手の衛生士さんは目を優しく覆ってくれる。私は、「一緒だよ」の気持ちで、両手でぎゅっと手を握る。
チクー。「…ふっ、痛いぃぃぃー」「すぐ終わるよー上手上手ー」
5〜6秒くらいで麻酔は終わり、小さい人の目からは耐えた証がつつーっと流れた。
「頑張った頑張った」とタオルで涙を拭く。「変な感じするぅぅ」と困り顔の小さい人に、「おかげでもう抜く時はちっとも痛くないよ」と、我慢はもう終わりの合図を出す。
医療用ペンチみたいな器具で先生が歯をつまみ、「すぐ終わるよー」と言ったそばから、「はい、終わり」
あっけなく抜歯が完了した。
にゅっと現れた乳歯は、細いけれど、牙のような根っこをしていた。確かに、これは深い。
初めての歯を持ち帰ると、緊張が解けた小さい人は、「どうする?歯、集める?」と、いつもの本気かボケかわからないジャブを繰り出してきた。歯を抜いても、自我は抜けないらしい。

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この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

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