6/2 (火) 私はバナナを失った人で、大きい人は信用を取り戻した人だった。

日記

午後。小さい人を社会へ巻き取りに行くと、「今日は怒られなかった!」と、キラキラな目でむんっと胸を張る。どうやら、今日の剣道の時間は、先生に怒られることなく完遂したらしい。
小さい人の社会では、年長組になると、週1で剣道が始まる。6月の運動会には、「剣道」というプログラムがしっかり名を連ね、社会きっての目玉となる。2ヶ月足らずの練習で、礼や挨拶の仕方、基本の構えを身に付け、2人1組で打ったりするまでになるのだから、小さき者たちの飲み込みはすごい。長らく同じ先生が教えに来てくれているのだが、聞くところによるとちょっと厳しいらしく、初回は、小さい人も朝からさすがにわなわなしていた。風紀委員タイプで、怒られまいとしゃんしゃんやる人だから、そんなに心配していなかったのだけれど、聞くと、もう毎回怒られている。左手を上げよという指示で右手を上げたり、竹刀を下ろすタイミングが早かったり、毎度何かと先生の記憶に入り込んでいるらしい。「右はお箸の手!」と、家でもそれなりに刷り込んではいたけれど、そう簡単にはいかないようだった。
のに。今日はなんと、うまくいったらしい。「いつもは、左と右まちがえたり、まだ下ろしちゃいけんでしょ!とか怒られるのに、今日は怒られなかった!」と、足取りがテンション高い。怒られなかった1日が、こんなにも人を浮かせるらしい。
今朝、相方の大きい人が「ネットスーパーで買い物をする」と言うから、バナナを頼んだ。
荷物が届いたので、「バナナ、果物のところに入れといてねー!」と、陽気にパスを出す。すると、大きい人はちょっと青くなって、ほっそり棒立ちしている。どうやら、入っていなかったらしい。
注文を確認してもらうと、頼んではいたのだが、売り切れだった模様。大きい人は、「よかった、頼んでた…」と、みるみる顔色を取り戻し、「自分を疑ったわ」と、ヘラっとする。私にとっては、「届かなかった事実」は変わらないからそう晴れないのに、大きい人にとっては、「やらかさなかった自分」に変わって、温度の差が激しい。
私はバナナを失った人で、大きい人は信用を取り戻した人だった。

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この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

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