5/30 (土) まわり道をした分、染み入り方が強い。

日記

12時半にスイミングを終え、コンビニで軽いお昼を買って帰宅。今日は全員、パンの気持ち。思い思いのサンドイッチを頬張り、小麦の美味さにしびれ合う。
バスの時間が迫っているから、早めに切り上げて駅まで早足。久しぶりに、ソレイユというショッピングモールに行く。長野旅行の時に試飲させてもらって、ひとくちぼれした白ワイン、ナイアガラブランの「2025」をお迎えするためだ。最近発売されたという情報だけキャッチしていたのだが、居場所がサンクゼール・久世福商店のみらしく、なかなか出向けずにいた。実際、オンラインショップでもお目にかかれるのだけれど、ネットでポチっとするには惜しいくらい、私にとっては貴重で、厳かなものなのだ。ちゃんと足を運んで、「あった!」と出くわしたくなる魅力が、ナイアガラブランには、ある。親友の故郷、長野で出会ったという特別感にも後押しされてはいるものの、ナイアガラブランの前では、ぶどうとワインの境界線がいよいよ怪しくなる。驚きと、ときめきが、いっぺんに宿る。
着いて、まずは小さい人を外の広場で遊ばせる。みっちり1時間、水の中で動いてきたとは思えない走りっぷりで、相方の大きい人とビビる。お昼ごはんは早々に空気と化して、お腹がぎゃーぎゃー騒ぎ始めたから、とりあえずおやつ。また、パンを食む。今日は、小麦との交信が熱い。
さて、いよいよ久世福へ赴く。小さい人も、「あるかなあるかな〜」と、一緒にそわそわして、小走り。すると、ワイン棚らしきものが店内の奥の方に見え、「あそこかも!」と、一直線。…あ、あった。ナイアガラブラン2025たちが、当然そこにいる顔をして並んでいる。こっちは、結構会いたかったのに。なににしても、よかった。心の中でがっちり握手をして、新しい再会を喜ぶ。小さい人も、「あってよかったねぇー!てぃのちゃんは飲めんけど」と、しっかり中笑いを取りながら喜んでくれた。
細かな用事を済ませ、大人エリアのフードコートで夜ごはん。
がやがやが盛んで、フードコートはちょっと苦手なのだが、「一緒に、バラバラの物を食べられる」という幅の広さが気に入っている。大きい人は、がっつり肉が食べたいということでステーキ。小さい人は、カレーからラーメンに転向して、おまけのお菓子にも心躍らせている。私は、海鮮丼と、から揚げ。店舗の国境を越えて、いかにもフードコートらしい楽しみ方。大きい人にも、「1番使いこなしてる」と褒められ、そうでしょそうでしょ。フードコートにしか存在しない海鮮居酒屋を、1人で開店していた。
さあ、みんな揃ったところで、いただきます。小さい人を見届けつつ、まずは、海鮮丼を迎え撃つ。ひとくち、ふたくち食べて、ぎょっとした。何かが、違う。なんだろう。酢飯の塩梅も、海鮮たちの彩り、サイズ感も、何もかも完璧なのに、おいしいのに、どうしてか、先に進めない。そんなはずは、ない。ざわつきを両手で押さえ込み、から揚げにいく。そこで、はっとした。これはもしや、外したか…?食に貪欲で、果敢な私が、まさか、己の欲望を読み切れなかった、だと…?ここのから揚げは、いつでもカリっとじゅわっとで、胃袋がおもしろいくらいに弾む。弾むはずなのに、今日は、しーんとしている。
こっそり、2人の方を見る。読み切った側の顔で、めいっぱいはふはふしている。これは絶対に、バレてはいけない。見誤ったことを。かといって、過剰にうまいうまいとも言えない。だってたぶん、食べ切れない。
結局、もくもくと、静かに食べた。後半から追い上げてくるタイプであれ、と祈りながら。
でも、とうとう、来なかった。ゆっくり飲み込み、箸を置く。
「すごいおいしいんだけどさ、なんか違ったみたいで」
白状すると、大きい人は納得の顔で、「ステーキ食べる?」と、欲望の答え合わせをさせてくれる。そんなはずは…と、口に入れた瞬間。あ、いた。今日の私。あの時、一瞬、アンテナは触れた。でも、鶏肉の軽やかさを、私は選んだ。そうか、本当は、私より先に、体が答えを知っていた。
牛肉さまを噛みしめると、「これこれこれこれ」と、胃袋がどよどよし始める。まわり道をした分、染み入り方が強い。
あとから、「いつもはおいしいおいしい食べるのに、すごい静かだったからさ」と、気付いて、でも声をかけられなかったと聞き、泣くほど笑う。
よかった。今日の私は、ちゃんと見つかった。

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この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

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