朝ごはんを終えた小さい人は、私がいる寝室兼トレーニング部屋へ乗り込んできて、お着替え。鏡の前に立ったかと思ったら、「さあ、筋肉はどうかなあ〜?」と、下着をめくってお腹を見る。「普通に腹出てんねん」
強い。あらかじめシナリオを描いて、ちゃんとおもしろく着地させる、この高度な一人二役。ツッコミ込みでボケを成立させる能力が、嫉妬するくらいまぶしい。ここ最近、「見て!お腹筋肉ついてきた!」と、お腹のえくぼを披露してくることが多かったから、もしかして今日のための伏線だったんじゃないかとまで思う。もはや、笑いのために体を育てていた可能性すらあるぞ。
我が家は3人とも、かなり根っこの方まで「おもしろ星」の住人で、普段から何かにつけて笑いを取りたがる。特に相方の大きい人は、プロの芸人さんたちを宇宙規模で尊んでおり、ときどき真顔で話術を研究している。「おもしろいな〜、芸人が最強だよ」とうなっているのを聞くたび、私も深くうなずく。人を笑わせる力って、生きる技術だと思う。
私はというと、2人みたいな鮮やかなツッコミは苦手で、だいたい軽率にボケて、あとはよろしくー!と投げっぱなしのスタイル。日々、知能の差がはっきりしていくにつれて、前は悔しくて足をぶるぶるさせることもあったけれど、最近は、「これが自分の役割か」と、随分受け入れられるようになった。だから、やっぱり少し妬いちゃうけれど、2人のことを、全力でかっこいいなと思っている。あの頭の回転の速さには、毎日、ちゃんと震える。
洗面所で、小さい人と今日のヘアスタイルを決める。「高い2つ結びにしよっかな〜」と、今日はプリキュアみを出したい様子。それを聞いて私は、小学生の頃、少女漫画のヒロインたちに憧れて、頭の高い位置に2つ結びをこしらえ、よく母に怒られていたことを思い出す。「低い位置に結んだ方が賢そうに見える」というのが、母の美学だった。少しむっとしつつも、確かにな〜と納得した覚えがある。それでも、隠れてやっていたけど。
「よく怒られてたんだよね〜。賢そうに見えないからやめてって」と、昔話としてやわらかく渡してみると、「そっかあ。ちっちゃい女の子から、立派なお母さんになりましたなあ~」と、まさかの褒め言葉をもらって、にししっと照れる。「えっダメじゃんまいたけちゃん〜」とか突っ込まれると思ったから、不意打ち。優しい。結局、中間の高さで2つ結びにして、社会へ。
今日からなんと、ハッピーセットのおもちゃがちいかわ。結構かぶることも多いから、今回は見合わせでいいかなと思っていたのだけれど、そよちゃんのお母さんに触発されて、やっぱり買う。出張中の大きい人が今日帰宅予定だから、連絡してみる。と、なんと、広島駅着が14時半。小さい人を巻き取ってお出迎えして、マック経由で帰宅。いい。最高の流れ。迷わず乗る。
おかえり〜!も早々に引き上げ、公式の購入券をきっちり4枚並べて、ハッピーセットを4つ。店員さんのはからいで、4種コンプリート。なんて有難い。私は今お肉を控えているから、全部2人に進呈して、ポテトとフィレオフィッシュ。
朝、そよちゃんのお母さんに、「セット4つはさすがに多いよね〜」と常識派を装ったが、逆だ。食べきれない心配ではない。むしろ、食べきれてしまう恐怖だ。
特別な機会を前にすると、理性のハンドルが効かなくなる。それが我が家だった。
5/15 (金) 食べきれない心配ではない。むしろ、食べきれてしまう恐怖だ。

