3/27 (金) 3泊4日の長野旅行記2日目。「長野」と書いて「最高」と読みたい。

日記

目を開けると、真っ白な、我が家よりちょっと低めの天井が飛び込んでくる。そうだそうだ、ベッドに寝たんだった。横を見ると、川の字の三画目がいない。トイレか?仕事か?と体を起こすと、二画目はほぼ真横に伸びていて、もはや「ト」になっている。5時15分、起床。三画目はパソコンを持ち出して仕事をしているらしく、やはり姿はない。トイレを済ませ、コンタクト装着。塩分過多でむっくむくのツラが、我が物顔でそこにいた。ぎょっとしていると、小さい人も起きた。念入りに顔をほぐし、テーブルや椅子には端っこへ避難してもらい、いつも以上に朝活を頑張る。運動習慣がついてから旅行に出るのは初めてで、ホテルでもちゃんと続けられるかやや不安ではあったけれど、しっかりぜーぜーできた。
2泊目、3泊目は別のホテルだから、荷物をさらりとまとめ、フロントへ預けに行く。今日は、「ながノビ」という室内施設で、小さい人が弾ける予定。事前に「こんな感じ〜」とスペックを共有していたから、わくわくが舞って舞って大暴れしている。
9時半の予約に間に合うよう駅からバスに乗り、長い階段を登り切ると、現れた。中は広い。しかもまだ若い施設らしく、めちゃくちゃ綺麗。「森のたんけんひろば」を見つけた小さい人は、「楽しそうー!まいたけちゃんも一緒に遊べる?」と聞いてくる。「うわあ〜遊びたいなあ〜!…あっでも12歳までってなってる…」としょんぼりすると、「え!まいたけちゃんもう12歳過ぎた!?」と、ぱちくり。「あ、うん、ごめん、過ぎた…」と、私の年齢を知らない小さい人に、「12歳以上」ということだけをそっと明かして、いざアミューズメント!雪山のようなすべり台を何度も滑走し、ボルダリングで壁も制して、次は「宇宙アスレチック」へ。ブラックホールを思わせるアスレチックをひょいひょい攻略して、壁の穴にボールを投げ入れると光るという仕掛けには、大きい人々も果敢に参戦した。壁に当たって戻ってきたボールを、小さい人は頭で受け、「いてっ」と抱えながら、なおはしゃぐ。
30分ほど経ったところで、「もう大丈夫」と、「おしまいの合図」を出してきたから、「いやいや、ここ2時間で組んでるのよ」と、「もっと遊べの合図」で返す。悟ったようでまた遊び始め、けれど今度はエネルギー切れでふがふがし始めたから、SEVENTEENアイスでパワーチャージ。しっかり満喫してバスに乗り、次は善光寺へ。の前に、まずはお昼ごはん!
るるぶでチェックしていた「藤木庵」がなんとお休み…!気を取り直して、近くで良さげなお蕎麦屋さんへ。この後食べ歩きが控えているから、天ぷらはお預け。2人前のざるそばを頼み、小さい人にも分配。登場したそばの盛り具合いに、大きい人々は思わず顔を見合わせる。ボーナスすぎる…!さすが蕎麦の大国、信州。普通盛りでこの標高。向こうでざるそばと言ったら、ひと掬いで回収できそうな量が寝そべっているのが当たり前で、大盛りにしたところで、ここまでは届かない気がする。表に、「大盛りはできません」と貼り紙があったが、確かに、いろんな意味で大盛りにはできません。とは言え、そば大好き家族は掃除機のようにずるずる平らげ、腹5分目の足取りで仲見世通りを練り歩く。
まずは、いづみや民蔵の五平もち。一緒に売られている、信州牛コロッケに心を躍らせる人が多い中、我が家は五平もち一択だ。ひとくちかじって、「うまい!」より先に「なんと!?」が飛び出したことに自分で驚く。もちと言うより、これはごはんだ。お米の粒がちゃんと主張していて、お正月に食べるあのもちとはちょっと違う。のびない。感覚的には五平めしという感じか。何にしても、味噌と醤油が織りなす甘辛だれが突き抜けるおいしさで、頭からかぶりたい。さっきのそばを控えめにしてよかったなと、静かにガッツポーズ。
さてお次は、おやき。学生時代、長野出身の友人にもらった野沢菜おやきがおいしすぎて、私はしょっぱいおやきに目覚めた。初めてなのに懐かしい感じが新鮮で、また食べたいと思っていたのだ。薄い皮からもりもり野沢菜が顔を出す。しょっぱくて、でも皮がほんのり甘くて、小さい人も喜んで頬張った。
食べ歩いていたら、善光寺の御堂前にある「けむりのやつ」が現れて、小学生の時に1度浴びた記憶がよみがえり、懐かしがる。小さい人にもわしわしなでつけ、お戒壇巡りへ。相方の大きい人は経験済みだったから先導してもらったのだが、途中から小さい人は泣き出し、つられて私も、一切の光を絶たれた状況に泣きそうになる。進めば進むほど道が狭まっていく気がして、空気まで薄くなっていく気がする。気付けば前屈みに、ちいちゃくよぼよぼと進んでいた。心臓が騒がしい。こわい。とは言え、後戻りはできない。恐る恐る体を立て、腕を上に伸ばすと、天井は高いらしく、虚空をつかむ。これはきっと、閉所恐怖症の悪い癖だ。「広いんだ、大丈夫だ」と言い聞かせ、目をつぶって深呼吸する。不思議なことに、目をつぶると「見えないこと」が当たり前になって、こわさは少しだけほどけた。極楽の錠前に触れ、どうにかこうにか光に帰還。小さい人もよく頑張った。
おのおの「生まれ変わった自分」で、県立美術館のムーミン展へ。原画も多く、見応えが神。ムーミン一家のドラマ1つ1つが独特で面白いし、ギャラリーのデザインも工夫が施されていてずっと居たくなる空間だった。私は、「舞台袖のムーミントロール」というポスターに一目惚れした。
巡りながらも、食べ物のことで頭がいっぱいな小さい人と一緒に、食べ歩き再開。信州カスタードアップルパイ、ソフトクリーム、どら焼き、マドレーヌと、図らずもきれいにスイーツ縛り。趣くままに甘味を取り込める幸せとは、「もう1巻だけ」が許されている夜に似ている。
途中、サンクゼールというワインのお店へ。おすすめの白ワイン「ナイアガラブラン2024」を試飲させてもらえた。これがもうぶわあーっと、鼻から口から爽やかなぶどうが体内を駆け巡る。未体験。しっかりお土産にして、シードルの飲み比べもして、ぽっとした大きい人々は飛びそうなくらい軽やか。
さて、駅に戻って夜ごはんを食べようということで、近くのバス停の時刻表を見てみると、どうやら随分来ない。「どうするかねぇー」と話していると、坂の方からバスがツツーっとやって来た。まるで、ネコバス。大きい人が、「Googleでも引っかからなかったのに」と言うから、ほんとにネコバスじゃん。「たぶん仏様とつながったからだね」と、2度目はないぞと思ったお戒壇巡りがここへ来て輝き出す。
ホテルにチェックインして、見晴らし抜群の和食やさんへ。ナンコツの味噌焼きがおいしい。日本酒もおいしい。「長野」と書いて「最高」と読みたい。
大満足でホテルへ戻り、小さい人のお風呂と歯磨きを一気に終える。「いつ寝てもいいからね〜」と声を掛けると、「うん」と、ごろごろ。しかし大きい人々の会話にはどうしても混ざりたいようで、気付くとベッドに対して垂直に体をねじまげ、こっちを見ている。睡眠より、交流に欲深いところが、らしくてかわいい。
私がお風呂の間もちょこちょこひやかしに来ては、「あがったらまいたけちゃんこっち来てね~!」と元気。急いで髪だけ拭いて、「てぃのちゃん?」とベッドの方を覗くと、くーくー寝ている。早っ!いよいよ限界が来たらしい。
近所のジムでランを終えた大きい人は、ほろよいと、じゃがチョコとチョコボールを連れて、ほくほく帰ってきた。静かに、だけど少し陽気に一杯やって、今日の反省会。「明日はいよいよだね」と、長野へ来た最大の目的を明日に控えながら、あのワインをまた思い出す。23時、ぶどうの余韻のまま、寝た。

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この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

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