5/8 (金) でも、生の肉は、拾えなかった。

日記

今日は、4回目の毛穴洗浄に行く。家から歩いて20分ほどの、小さなプライベートサロンなのだが、「韓国式3D毛穴洗浄」がどうにもこうにも肌に合ってしまい、気付けば月1で通っている。特殊なパックを使い、角栓を根こそぎ浮き上がらせてから吸引する施術で、肌に優しいらしい。しかも、奥からしっかりお掃除するので、回数を重ねるごとに詰まりにくくなっていくという。つまりつまり、肌がじわじわ「赤ちゃんみ」を帯びるということなのだ。夢がある。
とりあえずは、3回〜5回をおすすめしているとのことだったのだが、3回通って、「あ、これ、戻れないやつだ」と察した。なんせ、月の巡りじゃなくても、食べ合わせが悪かったりするとすぐニキビができるタイプなのに、ほとんどできなくなった。毛穴の黒ずみはなかなかしぶとくて、食が乱れると、呼んでもいないのに応じてきて「うわあぁぁ…」となるけれど、土台の毛穴が変わったから基本はつるりと白い。しっかり食べて、しっかり出して、体のお掃除をするみたいに肌もちゃんと片付けてあげると、上機嫌でいてくれるらしい。入れる努力よりも、除く努力か。美容の世界、意外と「掃除力」がものを言うのかもしれない。
さてさて、今日も時間をかけて「パック蒸し」される。吸引の時間はものの10分ほどで、50分は肉まんのように過ごしている。時間だけ聞くと「長っ」と思うのだが、エステティシャンの牧野さんが、とにかくおもしろい。施術しながらずっとしゃべっているし、内容もテンポも絶妙で、気付けばこちらもぺらぺらしゃべってしまう。終盤にはもう、「もっと蒸されていたいです、私」と、肉まん側の気持ちになっていた。
蒸し上がった後は、吸引マシンでシュポンッシュポンッと顔全体をお掃除。実際には見えなくても、「あ、今いなくなったな」みたいな爽快感がある。詰まりがなくなってきたから、肌が柔らかくなったとお褒めの言葉をもらい、やったやった。ところが、「んーなんかあごが怪しい…」と、牧野さんは笑顔を引っ込め、急に眉をひそめる。そこで、ハッとした。このところ、世界の乾燥が落ち着いてきたから、気になる目元だけ保湿クリームで優しくして、あごは完全にスパルタ教育だったのだ。すねて、反乱を起こしてきたな…?あごへも敬意を払うと誓って、また来月来ます!それにしても、肌は繊細に素直だ。目を離さずにいたら、まっすぐ応えてくれる。肌は子だ。
帰り道。横断歩道を渡り始め、真ん中辺りに差し掛かった時、右斜め後ろからガサガサッと何かが落ちる音がした。歩を止めずに振り向くと、自転車のおばあさんが、スーパーで買った生の牛肉を荷台から落としてしまったらしい。横断歩道の白線を鉄板にするみたいに、肉はパックから放り出されていた。
私は、一瞬止まった。でも、どう助ければいいかわからなかった。素手で拾うのか?いや、生肉を…?じゃあパックですくう…?でも片手じゃ無理。頭の中だけがバタバタして、結局、おろおろしたまま立ち去ってしまった。
それにしたって、何か声をかけるべきだっただろう、と、家までの道のりをもんもんと歩いた。あれがオレンジだったら、たぶん迷わず拾っていた。でも、生の肉は、拾えなかった。
条件が揃ってなければ助けられないとか、ダサッ。と思ったところで、家に着いた。肌にはあんなに丁寧なのに、人助けスキルは、まだまだ毛穴レベルだった。

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この記事を書いた人

改善愛好家が、気付きや学びをもとに"より善く生きるコツ"を綴っています。
可笑しみのある人を目指しながら、未完成で進行中。

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