アラームの音なしにふっと目が覚め、時間を確認すると5時50分。5時45分に鳴って止めたのか、そもそもなんらかの理由で鳴らなかったのか定かではないが、そろそろ朝だ起きねばなるまいと、野生の勘が鋭く作動したことに自分を讃える。布団ではない何かが体にまとわりついている気がして意識をそちらに向けると、小さい人がコアラのように私を止まり木にして寝ていた。コアラの抱きつきは猛暑の際の暑さ対策らしいけれど、我が家の小さいコアラは極寒の際の寒さ対策だ。大抵、真夜中にのそのそ起きて私を呼び、「寒いからそっちに入れてくれ」とねこのように潜り込んでくるのだが、今日はそのやり取りをした覚えがない。したのに忘れたのか、そもそもしていないのか。自分の忘失ぶりに若干のおっかなさを感じつつも、何にせよ今日は睡眠力が高めだったのだろうなと、よく眠れたことでずいぶんしゃんと晴れやかだ。普段は土曜日が家族デーなのが今週は日曜日になって、疲れを残したまま昨日の月曜日を過ごしたから小さい人もややよぼついていたのだけれど、気力の勢いを見るに全回復したようでよしよし。
元気いっぱい掃除機をかけていると、自分のおもちゃの掃除機を押入れから出してきて、「てぃのちゃんのはおもちゃで本当には吸えないから、ここにほこりあるよーとか教えるね」と誘導部隊として勇敢に駆け出す。洗濯物を干している時にはなにやら鼻歌を歌っていたから「今日は元気そうだね」と伝えるとちょっと照れた顔つきになって、「自分の心を落ち着けて~自分の心に元気を出させて~」と、オリジナル内面調律ソングを歌い出し観客を沸かせた。
朝活をしていると、朝飯を済ませた小さい人が「ごちそうさま〜」とやって来て、「今日ハンカチ持っていこうかなあ。あっでも鬼に食べられたらやだから持ってかないどこ」と、聞かせる目的のひとりごと芝居を打ってまた去っていく。今日は節分だから、小さい人の社会には鬼がやって来る。前々から「鬼が来るよ〜」と怯えながらもわくわくして、「豆投げた後はね、優しい鬼になって、タッチとか一緒に写真撮ったりできるんだよ」と教えてくれた。確かに、毎年鬼も交えてみんなで集合写真を撮っているから、最後はちゃんと仲良くなって平和に終わるのだろうな。
リビングの方から小さい人と相方の大きい人の会話が聞こえ、どうやら小さい人はノートを広げ足し算を書き始めたらしい。「勉強してるん?」「うん、楽しいお話とかはいいから、小学校に行く準備しないと」と、さもこの4月に入学する人の振る舞いが盛んだけれど、間違っていなければそれは来年の4月だ。日曜日にランドセルを選び抜いて心がもう小学生なのか、未来の見据え方が天気予報より先に傘をさしている人でさすがすぎる。取り組みが終わった後、「楽しかったかい?」と聞くと、「楽しかったっていうか、やれやれって気持ち」と、OL3年目みたいな顔で言った。朝から飛ばして頭を使ったけれど、小さい人はそのまま絶好調で社会へ飛び立った。
節分だから、今日は多めに豆を喰らう。普段は「素焼き大豆」と呼んでいるが、今日は「節分豆」と呼んで、伝統行事にしっかり参加している気持ちで過ごす。相方の大きい人から教えてもらった神宝塩と節分豆がおとなしめに言っても絶品で、しかもポップコーンの味になるからちっともやめられない。
夜、小さい人に食べてもらおうと大根もちを作った。お好み焼きのようになるはずが、欲張って大根をまるまる1本すりおろして作ったら、固まりが悪くて途中もんじゃみたいになった。けれど、なんとか伸ばして表面をよく焼いたらギリギリわらび餅くらいにはまとまって、もちもちしていておいしかった。
寝る時間までの間、小さい人と折り紙でちいかわのくりまんじゅうを折る。最初はちいかわを折る予定だったのだけれど、白い折り紙をハチワレやシナモロールに使い切らしていたから、余り物代表の茶色系を使おうということでくりまんじゅうが躍り出た。小さい折り紙も巻き込む2枚使いの大作で、小さい人には少々しんどい作業となったけれど、協力しておのおののくりまんじゅうを完成させる。
小さい人が寝た後は、ポケ森のキャンプ場のレイアウトをクリスマスからようやくバレンタインに変え、チョコレートの匂いに酔いそうなほどのチョコ尽くしで攻めた。月末月初の繁忙期から解放されたら絶対やるぞと決めていたからちゃっちゃと叶って嬉しい。
2月に入って乾燥の本気がすごすぎて、普段はデスク横に置いた加湿器をもわもわ炊かせて全体的にふぁ〜っとさせるだけなのだがそれでは事足りず、びゅーびゅー働く目の前に座り込んで本を読んだ。活気よく上がる水蒸気はしっかり私の視界を淡くして、髪が濡れているような気がしたから触ってみると全然濡れてはいなくて、やっぱり乾燥が甚だしいなと顔に保湿クリームを塗ったくって寝た。豆も蒸気も気前よく浴びて、今日はちゃんと暮らした。
2/3 (火) オリジナル内面調律ソングを歌い出し観客を沸かせた。

