ついにGW突入。朝から、家族が全員浮き足立っている。「ジーダブリュー!ジーダブリュー!」と、なぜか律儀にアルファベット読みする珍しい人々は、大統領選挙さながらの活気で雑事をこなす。
小さい人は、今日からスイミングスクール。先々週、体験会に参加し、あまりに楽しめたから即入会した。最初はまわりの雰囲気に圧倒され、泣き出しそうな面構えだった小さい人も、「ステップ台があるからこわくない」という安心感を得て、いとも簡単に魚になった。案外こういうささいな安心材料で、不安はするっとほどける。早々にこわさを追い払ってくれたコーチには、感謝でいっぱいだ。
小さい人は、会員専用の水着とかめのワッペンがついたキャップ、ゴーグルを装着して、プールサイドへとたくましく歩いていった。11:30〜のコースは、比較的人数が少ないグループではあるが、それでも10人はいる。3人だった体験会とはちょっと具合いが違うからどうかな?と多少心配したけれど、今回も楽しそうだった。
お昼は適当に済ませて、本日2つめのお楽しみ、ムーミンのポップアップストアへ。数日前、小さい人と私は下見に来たのに、また新鮮にかわいいかわいいかわいい。「めちゃ怒ってる〜」「こっち見てる〜」と、1つ1つにきっちり突っ込みながら、店内を練り歩く。大きい人も、すっかりムーミンの楽園に溺れている様子。小さい人のコップ、お揃いのヘアゴム、ハンドタオル、ラゲッジタグをもれなく購入。
昨日、大きい人に、このムッとしているアングリームーミンのタグを、兼用で使っているキャリーケースに付けてもいいか画像を見せたところ、「自分にはかわいすぎるかもなあ」と、必殺技「菩薩返し」を繰り出してきた。否定も怒りもしない。ただやわらかく受け止めて、でも静かに希望を通させない。高度な技術よな。なので、とりあえずはあまり出番のない方のキャリーに付けておこうと目論む。
さて、やんわり「夕飯どうする?」という話になって、気分もいいしお好み焼き。そば入りとそばなしを頼み、イカや牡蠣の鉄板焼きなんかも並べて、図らずもパーティー仕様になった。ジーダブリューに気持ちよく乗せられる家族。小さい人は湯気を浴びながら嬉しそうに箸を踊らせ、そばなしのお好み焼きをほとんど胃に収めた。
夜は、歴史的なボクシング対決、「井上尚弥 VS 中谷潤人」があるから、さっと帰って観戦。どうやら無敗同士の闘い。今日、初めてどちらかに「負け」がつくというから信じられない。大きい人は、カレンダーにちゃんと入れるほど楽しみにしていたらしい。
子どもの頃、お父さんがよくボクシングに熱くなっていたけれど、私はずっと、痛々しさの方が印象に残ってこれまで避けてきた。顔が変わるまで闘って、血も流れて、「どんな世界だよ」と思っていた。
でも今日は、大きい人の鬼気迫る熱意に押し切られて、観た。気付けば、一緒にパンチをかわしながら、「うわっ!」「いひゃっ!」と、息を飲んで応援していた。両者の、「負けられない。負けちゃいけない」が、真正面からぶつかって、自然と熱くなる。ただただ、かっこよかった。
そして、ボクシングというのが、めちゃめちゃ頭脳のいるスポーツだということを知って、力技だとばかり思っていた自分を一発殴りたい気持ちになった。距離、呼吸、誘導、駆け引き。これは殴り合いじゃないのだ。超高速の読み合いなのだ。一瞬でも隙を見せたら負ける。もしかしたら生死に関わるかもしれない。その極限の中で、自分の判断と反応だけを頼りに立ち続ける。全部、自分の「読み」の結果になる世界。もはや侍だ。
闘い抜いた末、勝利したのは井上尚弥。確かに、速かった。強かった。でももう、途中から、そういうことじゃなかった。井上尚弥と中谷潤人、2人の生き様を、ガツンとぶつけられたような気持ちだった。あれだけ削り合っているのに、美しくて、目が離せなかった。
試合後、大きい人と2人で、まだちょっと震えながら、「観れてよかったね」と言い合った。文字にすると軽いのに、体感は高温。完全に魂が燃えている。
こういう熱さを吸収すると、自分まで強くなった気になって、急に無茶しがちだから危ない。ちゃんと頭を冷ましてから、寝た。
5/2 (土) 全部、自分の「読み」の結果になる世界。もはや侍だ。

