家族との関係がうまくいかない。
喧嘩が多くて疲れる。
などなど、家族仲の悩みを持つ人は多いと思います。
なぜうまくいかないのか、うまくやるにはどうすれば良いのか。
少しでも家族間の衝突を減らすための方法をお話できればと思います。
家族とうまくいかないのはなぜ?
家族とうまくいかない…と悩む人の中でも、その「うまくいかなさ」はさまざま。親子間なのか夫婦間なのか、兄弟間なのか、その辺もそれぞれ違いますよね。
ただ多くは、口喧嘩が多かったり、冷戦状態が続いたり、「相手の言動に対してイライラする」というのが悩みなのではないでしょうか…?
そもそも家族という存在は、この世に誕生してから長い時間一緒に過ごしてきた小集団。
血縁かどうかに関わらず、お互いあるがままで生活し、良いところも悪いところも見合ってきた仲なので、いろんな意味で「近い存在である」というのが大前提なはず。
近い存在って一見素敵なことに思えますが、実は近い存在だからこそ「〜してほしい」「〜して当然だ」という気持ちを抱きやすく、それがイライラに繋がり、うまくいかない原因になってしまうんです。
家族には「希望」を持ちやすい
「理解してほしい」「信じてほしい」「口出ししないでほしい」など、希望を持ちやすいというのが家族間でありがちなこと。
近い存在がゆえに、相手に求めるものが大きくなってしまうんですね。
でも実際は、みんなそれぞれ希望があって、誰か1人の希望ばかり通るということはなく、思い通りにいかないことがほとんど。

求めれば求めるほど、叶わない現実に不満が出てきます。
希望の先には「執着」がある
〜してほしいという段階ならまだ良いものの、そういう欲というのは際限がなく、「もっともっと」と求めるようになります。そしていずれは「理解されるべきだ」「信じてくれて当然だ」「口出しする親はダメだ」という執着へと変わっていきます。
確かに、親子の在り方や家族の在り方には世間一般のイメージがあって、こうあるべきだと思うのは自然なことかもしれません。
ただ、こうあるべきというのは、結局人をコントロールするための病的なマイルール。
思うように動いてくれない家族に対してイライラが募るばかりなので、もっと揉めることが多くなるはずです。
執着は、それを満たしたからといって完全に埋まることはありません。それどころか、さらなる欲がどんどん生まれてくるというやっかいな代物なのです。
ブッダが教える 執着の捨て方 | アルボムッレ・スマナサーラ
イライラの感情があると、何もうまくいかない
誰もが経験していると思いますが、イライラすると、普段なら言わないようなことを言ってしまったり、正しい判断ができなかったり、基本的に「後悔するような出来事」になりませんか?
イライラ度合いによっては言動が暴走して、相手を深く傷付けてしまうこともあると思います。
つまり、こういう負の感情は理性を働きにくくするので、その場の判断も間違うし、良くない結果になってしまうんですね。
暴力や虐待はその最たるものだと思います。
家族との衝突を減らす方法は?
希望や執着を持たないようにする
家族といえど1人の人間。それぞれ自分の意見や正義もあるので、希望や執着を持つこと自体がイライラに繋がってしまいます。
難しいですが、物事1つ1つを「無」で受け入れるというか、感情に振り回されないようにすることが大切。
求めるほど自分が苦しくなること、家族でもコントロールはできないことを肝に銘じて、少しでも嫌な気持ちが現れないようにしたいですね。
「今」に目を向けるようにする
自分がどう育てられてきたか、という過去が、「家族とはこうあるべきだ」という執着に繋がりやすいもの。
特に、過去が悪い記憶であればあるほど執着は強くなり、攻撃的な気持ちになってしまいます。
今どうするか、しかできることはないので、変えることも無かったことにもできない「過去」に囚われないようにするのが大切です。
変えられるの自分の心だけ
現状をどうにかするには、何かを変えなければいけないわけですが、1番やりやすいのは自分の心を変えること。
家族と同居していてうまくいかないのであれば、家を出て、環境を変えてしまうのも1つの方法ですが、それは根本的な解決にはなりません。
私自身がそうだったのですが、別居したとしても、結局顔を合わせた時にお互いイライラして、久しぶりなのに優しくできない自分にもイライラして、なおさらうまくいかなくて。泣
捉え方、物事の見方を変え、意識を変えることでしか解決できないという結論に至りました。
感情のコントロールは簡単ではないものの、これはいろんな場面で使える「応用の効く方法」だと思います。
そもそも思い通りにいかないものなのだと受け入れられれば、人間としての度量が大きくなり、生きやすさに繋がるはず。

何かの縁があって一緒になった家族。
共に過ごす時間が、少しでも心穏やかなものになりますように。
