怒りの感情をコントロールできるようになりたい。
気持ちのコントロールができなくて悩んでいる…
イライラの度合いや頻度は人それぞれですが、怒りが原因で後悔したことは誰にでもあるのではないでしょうか…?
私自身も、怒りと向き合うことを人生のテーマに修行真っ只中ですが、実際にやってみて効果があると感じたことも交え、具体的な方法をお話していければと思います。
順を追って細かく書いているので、必要ないところは飛ばして読んでくださいね…!
これはしっくりきた!ということを見つけてもらえたら嬉しいです。
怒りのコントロール、なぜできた方が良い?
わかりやすいところで言えば、「人間関係を良好にするから」という理由があります。
また怒ってしまった…
強い言葉で傷付けた…
信頼関係をなかなか築けない。
など、人間関係の後悔や悩みは、怒りをはじめとする「不安」や「悲しい」という、暗い感情が原因のことがほとんど。
怒りは「理性や冷静さを奪う感情」なので、誰でもこんなこと言うつもりじゃなかったのに…ということが起こりやすいものです。
また怖いことに、怒りは人間関係を壊すだけでなく、人間の体をも壊してしまうほどの力があります。
体調不良で病院に行ったら「ストレスが原因」と診断されることがあると思いますが、あれも結局はイライラという暗い感情が居座り続けた結果。心が異常事態の時、人は呼吸が浅くなりますから、それが長期間続けば当然体にも悪影響が出てくるんですね。
なので、怒りのコントロールができるようになれば、心身の健康の手助けになるため、「自分の生きやすさ」に繋がることは間違いないと思います。
そしてそれは結局、自分の幸せに直結するのではないでしょうか。
アンガーマネジメントというものがあるくらい、怒りはコントロールが難しく、それなりのトレーニングが必要になりますが、生きる上で必要不可欠なものです。
自分の感情の在り方を変えることで、明るい気持ちで過ごせるようになるから周りも変わる。結果的に人間関係が良くなる。
もちろん、変わっていく自分に自信もつくので、生きるのが楽しくなる。

怒りのコントロールは、そんな好循環をつくるためにあるのだと思います。
怒りをコントロールするために必要な「2つのアプローチ」
1. 【応急処置】イラッとしてもすぐに消せるようにする
これは、怒り=イライラ という感情が生まれた時に「すばやく消して、なかったことにする」ということです。
火にバシャっと水をかけたように鎮火させ、もちろん引きずらない。
難しいことですが、パッと切り替える癖をつければ、余計な揉め事を減らし、嫌な気持ちで過ごす時間も減ります。
2. 【根本治療】怒り自体を生まれにくくする
人間は感情で生きているので、それが怒りだろうと喜びだろうと、あっという間に飲み込まれるという特徴があります。
怒りは特に、どんどんエスカレートするという性質を持つため、最初は小さな火でも一気に燃え上がってしまう可能性が…
そもそも怒りが登場しないような心掛けは、根本的な解決策になります。
怒りをコントロールできるようになりたい理由や目的は人それぞれ違うと思いますが、この2つの方向から対策を打つことが怒りのコントロールに必要なポイント。

ちなみに私は、心穏やかで怒らない人になりたいなと、日々トレーニング中の身です…
何より、怒りが芽生えた時の胸をぎゅーっと握りつぶされるような、喉の辺りが苦しくなるような感覚は本当に味わいたくなくて…
実際どんなことを意識すれば良いのか、早速具体的な実践術をお話していきます…!
怒りをコントロールする方法 <応急処置編>
深呼吸する
イライラも含め、ストレスを感じるような心情になると、呼吸自体が浅くなるため、体は酸素不足になります。酸素が行き渡らない状態は、当然ながらエネルギー不足になるので、イライラの増幅にも繋がることに。深呼吸を数回することで、体の元気と冷静さを少しでも取り戻せれば、大失敗は起こりづらいかもしれません。
アンガーマネジメントの世界では、「怒りのピークは6秒まで」とされているので、深呼吸をしつつカウントしたりして、そこを切り抜けることが重要です。
物理的にその場を離れる
思わず強い言葉で怒ってしまうのは、その対象物が視界の中にあるから。可能ならその場を離れ、1人になって落ち着く時間をとるのが◎
この方法はタイミング的にできない場合もあると思うので、あまり有効じゃないかもしれませんが、結構効力がある気がします。
その瞬間に、怒り分析をしてみる
今なんでイラっとしたんだろう?この怒りの原因は何だろう?と、怒り分析をすることで、意識が別に向くため治まりやすい傾向にあります。
また、分析すること=怒りを観察できている ということなので、状況に関わらず軌道修正ができるようになるはずです。自分に矢印を向けるためのトレーニングとして有効だと思います。
完璧を求めていないか?と問う
完璧であることを求めてしまうと、想像以上の怒りが湧き上がります。
そもそも完璧な状態というのは、いろいろな要素が上手く組み合わさった結果なので、自分1人の力でそうなったわけではありません。しかもその完璧は、「自分にとっての完璧」で、相手にとっては不服なものだった可能性もあります。難しいですが、ほどほどに、適当くらいが心の安定に繋がります。
相手に何か主張する前に、完璧を求めていないだろうか?と自問自答できると、伝え方を間違えずに済むのではないでしょうか。
「ポジティブ変換」でサッと切り替える
今この身に起きた不穏な状況、もちろん信号は黄色になっているはずですが、こういう時こそポジティブに変換してしまう=捉え方を変える というのも有効です。
例えば、「これは怒らないでいられるかのテストだ」「起こることは全て自分に必要なことだ」と、前向きに捉え方を変えれば、目の前の状況が違って見えてきませんか?
そうすると、よし頑張って乗り越えよう!という気持ちになりやすいので、怒りは消えてしまうはずです。
怒りをコントロールする方法 <根本治療編>
タスクを減らす
現代人はあれこれタスクが多いので難しいかもしれませんが、忙しさは怒りが生まれやすいもの。常に次のタスクで頭がいっぱいで、心は焦りでいっぱいで、当然ながら呼吸も浅くなってしまうため、体という観点でも良くない状況…
もしタスクを減らせない場合は、使える時間を増やしてゆとりを持たせるしかないので、早起きするなどして時間を作り出せると良いですね…!
動作は「ゆっくり」を意識する
イライラしやすい人の特徴として、せっかちであることが挙げられます。
もちろん、先のことをいつも考え、テキパキと動くのは効率的で生産性がありますが、心もせかせかとしてしまいがち。多少でもゆっくり、丁寧にと心掛けるだけでも、随分穏やかでいられると思います。
ちなみに私はせっかち気質で、動作も雑だったりするのですが、この方法は結構効果があって。自分に言い聞かせるように話し方もゆったりを意識してると、うーんそうかあ…って一呼吸置けることが増えてきた気がします。
普段から笑顔をつくって過ごす
笑顔をつくる=口角を上げる ということですが、実はこれだけで明るく寛大な気持ちになりやすく、イライラしにくい心の手助けになります。
まいっか!と、許容範囲が広くなるというか、普段なら怒ってしまいそうな場面も割と流せたり。少なくとも、口角を下げて怖い顔 (怒り顔) で過ごすよりは、ずっとイライラを小さくできると思います。
笑顔をつくるって、なんとなくマイナスなイメージとして捉えられていますが、実は普段から明るい気持ちや広い心でいるための1つの方法。いつも笑顔でいる人は、ちゃんと感情と向き合っているし、良くする努力をしているんだなあと私は思います。
「今日は諦めます精神」を持つ
誰でも、これは絶対!というマイルールというか、こだわりを持っていると思います。
持つこと自体は、生活を豊かにしたり、スムーズに生きるための方法だと思うので良いんですが、問題なのはそこにこだわりすぎてしまうこと。こうでなければいけない、こうじゃなきゃ動けないみたいになってしまうと、どうしたってイライラに繋がります。
人間関係で見ても、みんなが多かれ少なかれマイルールを持っていて、みんなそれを守ろうと生きているので、自分のルールだけがいつも通ることはないんですよね。
マイルールに縛られすぎず、今日はうまくいかない日ね〜じゃあ諦めます!と、スパッと切り替える方がきっと良い日になると思います。
上手くいったらラッキーくらいの軽やかさでいる
何かを望みながら、求めながら生きているのが人間ですが、物事も、人も、コントロールできないのが当たり前。こうなりますように、こうしてほしいという自分に都合の良い希望を持つとイライラの原因になってしまうので、最初から持たないのが根本的な解決策。
やれることはやって、後は手を離す。上手くいったらラッキー!くらいの軽やかさでいることが大切だと思います。
想定外が起きないように、想定しておく
想定外な出来事は、大抵悪い方向に作用することが多く、イライラの原因になりやすいもの。
それこそ仕事のプロジェクトで、なぜこんなことになったんだ!と、想定不足を指摘されたら暗い気持ちになりますよね…なので、こういう場合どうするか?を想定しておくことはとても大切で、特に、もっともっと小さい、日常の中でのことも想定しておくのが良いと思います。
例えば、家族に買い物を頼んだ時、「間違えて別の物を買ってきてしまったパターン」や「そもそも買い忘れてしまったパターン」を想定すること。そうすると、代用品を考えておけたり、電話で念押ししておこうかな?と動けたり、まず心の準備ができるので、もうっ!ということになりにくいはず。
想定することを癖にして、大体のことは想定内です!という状態をつくっておければイライラしにくいと思います。
体が整う生活を送る
主に食事、運動、睡眠になりますが、まずは体にとって良い生活を送ること。体さえ整っていれば、そもそもストレスも溜まりにくく、心も健康を保ちやすい。
常に清々しくいられるような、規則正しい毎日を心掛けるのも、感情のコントロールには大切なことです。
時に、仕事で体を酷使するような日もあると思いますが、ちゃんとリセットして、人生のバランスをとっていけると良いですね…!
厄介な「怒り予備軍」にも注意!
実際のところ、怒ってしまうもっともっと前に「怒り予備軍」が潜んでいることをご存知でしょうか…?
「寂しい」「怖い」「嫌悪」「失望」「退屈」「緊張」など、いわゆる暗いとされる感情は全て怒り予備軍。
ちょっとしたきっかけさえあれば怒りに変わり、その怒りはエスカレートするという性質通り大きくなって、最悪相手を攻撃してしまうでしょう。
例えば、あんまり気乗りしない飲み会に参加したとします。
最初は退屈…くらいにしか思っていなかったのに、気付けば「何やってるんだろう…無駄な時間だなあ。本当はやりたいことがあるのに!断れば良かった、あー嫌だ、もう帰りたい… 」とどんどんイライラしてくることってありませんか?
ついには、「だいたい、あいつが誘ってくるから悪いんだ。いつも自分のことしか考えないところが嫌いだ。」などと、攻撃的な感情が芽生えることもあるかもしれません。
こんな感じで、「退屈」「後悔」「嫌悪」という暗い感情が、あっという間に「怒り」に変わってしまうんですよね。
なので、予備軍のうちに消してしまう努力が必要で、そのためにはいつも自分の感情を観察しておくこと。

観察は難しいことではなく、「今自分は100%明るい気持ちでいられてるか?」という問いに答えるだけで十分です。少しでも引っかかるなら切り替えて、怒りに変身する前に食い止めましょう…!

怒りさえなければみんな幸せ

幸せって何だろう?と考えた時に、
「お金が潤沢であること」
「大切な家族がいること」
「好きなものに囲まれた生活を送れていること」
などを思い浮かべますが、実際、それは物理的な幸せをつくっているだけであって、心が幸せかどうかは別問題だなあと感じます。
結局は、そこに「ハッピー=喜び」の感情が伴っていなければ、人は「幸せだ」と感じられない。
もし1日の大半をイライラして過ごしているとしたら、たぶん「自分は幸せじゃない」「いろいろ手に入れたのに、なぜこんなに苦しいのか」と思うのではないでしょうか…?
幸せは、美味しいごはんにあるのではありません。大金持ちになることでも、プール付きの豪邸に住むことでもありません。幸せとは「心の喜び」のことをいうのです。
充実感こそ最高の財産 | アルボムッレ・スマナサーラ
そう考えると、人生は「感情」が全てを決めるというとてもシンプルな仕組みで、心をハッピーな状態で維持することが、人間がやるべきことなのだなあと痛感します。
前述した、物理的な幸せをつくることは、いずれ「慣れ」「当たり前」になり、もっと何かを得なければいけないという「執着」へと変わってしまうので、根本解決にはなりません。
執着は、心が束縛状態にあるため、幸せとは真逆のところを彷徨うことになります。
結局は、「日々何を意識して過ごすか」が、幸せを決めるんですよね。
思い通りにいかない世界で、怒りという感情に振り回されず、何かを意識しながら生きるのはとても難しいことだと感じます。
よし!何があっても笑顔で過ごすぞ!と決めてもそんな簡単にはいかないし、イライラするのとかもう仕方なくない?って開き直ってみたり、人間の心の複雑さに嫌になることが私は多々あります。
ですが、どんなにイライラしていても、「ありがとう」とニコッてされたら口元が緩むし、それであっという間に心がぽかぽかして、なんか満たされてるぞ…と幸せに浸れる自分もいたり。とても単純だなあとも思うんです。
数ヶ月でクリアできるようなミッションではないものの、やることはとてもシンプルで、今この瞬間にだって幸せになれると思えば、簡単なことな気もしてきます。
何にしても、自分にとってどんな意識が心をプラスに保てそうかを考え、諦めずに続けることは、間違いなく幸せに繋がるはず…!
怒りのコントロール、良い人生のために一緒に頑張りましょう…!